昔の家造りは、夏を旨とすべしとした、ローテク伝統民家でした。現代は冬を旨とすべしとした、高気密・高断熱の家造りになってきていますが、これからは夏も冬も旨とすべしとした、次世代省エネルギー住宅+微気候デザインの家造りが、大切になってきます。
微気候デザイン、耳慣れない言葉ですが、先人達がすでにやっている手法です。住まい手の五感に立脚した、環境デザイン手法です。
@ 健康的な住環境の創造
A 自然環境の保全と再生
B エネルギーダイエットと、CO2排出量の削減を目的とし、建物を取巻く空間をデザインして、無駄なエネルギーを削除しようという考え方です。
敷地の立地条件、風、気候、相対湿度、散水、緑の樹木(落葉樹)等の活用により、冬は暖かい日差しを家の中に取込、暖房費の節約に、夏は茂る緑の葉で、暑い日差しを遮る木陰をつくり冷房費の節約をする、また植裁で風をコントロールする等が、エネルギーダイエットにつながるという考え方です。
住宅のエネルギー消費は1965年から1992年の27年間で約2倍に増加しています。京都会議(COP3)で日本はCO2削減6%と決められましたが、これが日本にとって、大変困難な数字であることに気づいている人は少ないと思います。世界総生産25%のアメリカの世界エネルギー消費量は25%です。日本は世界総生産12%で世界エネルギー消費量は6%です。日本のCO2排出量の6%削減するということは、我が国の全家庭の年間総エネルギー消費量を上回る量とのことです。
また、我が国の全家庭の待機時消費電力量が、全家庭の消費電力の10%近くになるということも、驚きの事実です。省エネルギーは、誰かがやるのだろうではなく、一人一人が気合いを入れて、小さな事から取組まなければいけない問題です。