働きながら建築を学ぶ|甲府工業高校 専攻科建築科の令和9年度募集と学び

働きながら建築を学ぶ甲府工業高校専攻科建築科の令和9年度募集を紹介するアイキャッチ

山梨県立甲府工業高等学校の専攻科建築科(夜間制)では、仕事を続けながら建築を学びたい人、異業種から建築の道を目指す人、高校卒業後にさらに専門性を高めたい人など、さまざまな背景を持つ学生が学んでいます。

今回、新しい募集チラシをいただきましたので、専攻科建築科がどのような学校なのか、令和9年度(2027年度)の入試情報とあわせてご紹介します。

山本建築工業でも、2026年度から当社社員が1年生として専攻科建築科に通っています。日中の仕事と夜の学びを両立する姿を身近に見ている立場からも、地域で建築に携わる人が学び続けられる環境には大きな意味があると感じています。

甲府工業高校専攻科建築科の夜間2年制と建築士受験資格を案内する募集チラシ表面
山梨県立甲府工業高等学校 専攻科建築科の募集案内。働きながら建築を学べる夜間2年制の課程です。
目次

働きながら2年間で建築を学ぶ「専攻科建築科」

専攻科建築科は、高校既卒者や社会人などを対象とした夜間2年制の課程です。

学校公式サイトでは、2026年現在、「公立・夜間・2年制」で、修了と同時に一級・二級建築士の受験資格を得られる学校は全国で本課程のみと案内されています。

公式案内では、2023年度以降の入学生について、必要な指定科目を修得して修了することで、実務経験0年で一級建築士試験を受験できる認定課程とされています。二級建築士についても、修了後に受験資格を得ることができます。

ここで大切なのは、「2年間通えば一級建築士になれる」という意味ではなく、あくまで一級建築士試験の受験資格を得られるということです。資格そのものは、試験合格や登録など、それぞれ必要な要件を満たして取得するものです。

令和9年度の募集定員は30名、修業年限は2年です。

年齢も経歴も違う人たちが、一緒に建築を学ぶ

今回のチラシには、過去3年間の学生データが紹介されています。

過去3年間のデータでは、年齢構成は10代25%、20代30%、30〜40代30%、50代15%で、平均年齢は30.6歳です。若い世代だけに限らず、社会人になってから学び直す人が多いことが分かります。

経歴も一つではありません。

  • 高校・大学等を卒業して進学:33%
  • 社会人からのキャリアチェンジ:33%
  • 現業者のスキルアップ:34%

居住形態は地元65%、Iターン20%、Uターン15%。進路の傾向は建設・住宅・不動産業界75%、その他業種17%、未定8%と紹介されています。

年齢やこれまでの仕事が違う人同士が、同じ課題について考え、模型をつくり、図面を描き、対話すること自体が、この学校ならではの学びの一つなのだと思います。

甲府工業高校専攻科建築科の学生構成や学習内容、時間割を紹介する募集チラシ裏面
過去3年間の学生構成や、授業内容、時間割、2年間のラーニングマップなどが紹介されています。

「知ること」と「つくること」を行き来する2年間

専攻科建築科では、単に教科書で建築知識を覚えるだけではなく、インプットとアウトプットを繰り返すことが重視されています。

チラシのラーニングマップを見ると、1年次から2年次にかけて、建築計画、建築施工、構造・力学、建築法規といった座学に加え、製図、模型、測量、材料実験、CAD、木造構造図、非木造建築意匠図、共同設計などの実習が組み合わされています。

さらに、住宅デザイン演習、企業ガイダンス、インターンシップ、研修旅行・現場見学、キャリアセミナーなど、学校の中だけで完結しない学びも用意されています。

2年次には修了設計に取り組み、それまで身につけた知識や技術、考える力、伝える力を一つの設計へまとめていきます。

平日の夜に学ぶ時間割

令和8年度の案内では、授業は月曜日から金曜日まで行われています。

  • 給食:17:00〜17:50(希望者のみ)
  • SHR:17:55〜18:00
  • 1校時:18:05〜18:50
  • 2校時:18:55〜19:40
  • 3校時:19:45〜20:30
  • 4校時:20:35〜21:20

令和9年度の出願にあたっては、月曜日から金曜日まで毎日17時55分までに登校できることが前提とされています。

「夜間だから仕事のあとに気軽に通える」というよりも、仕事と学業を2年間きちんと両立する覚悟が必要な学校だと思います。一方で、日中に働きながら学べるからこそ、仕事で経験したことを学校で理論として整理し、学校で学んだことを翌日の仕事で確かめることもできます。

当社社員も、今年1年生として学んでいます

山本建築工業でも、2026年度から社員が1年生として専攻科建築科に通っています。

会社として専攻科への通学を大切にしている理由は、資格取得だけではありません。

建築の仕事では、現場で手を動かして身につくことがたくさんあります。一方で、構造、法規、計画、施工、設計などを体系的に学ぶことで、「なぜこの納まりにするのか」「なぜこの寸法や材料が必要なのか」と、日々の仕事を別の角度から考えられるようになります。

現場での経験と学校での学びは、どちらか一方だけで完結するものではありません。

実務で経験することと、体系的に学ぶことを往復する。

その積み重ねが、将来さまざまな立場から建築を考えられる人材につながっていくと考えています。

小さな地域工務店にとって、人を育てることは時間のかかる取り組みです。それでも、技術や知識を次の世代へつないでいくためには、会社の中だけで教えるのではなく、学校や地域の建築業界ともつながりながら学べる環境をつくることが大切です。

令和9年度の入試について

令和9年度の専攻科建築科は、募集定員30名、修業年限2年です。

出願資格は、高等学校またはこれに準ずる学校等を卒業した方・令和9年3月卒業見込みの方、または高等学校卒業程度認定試験等に合格した方です。年齢による制限は案内されていません。

選抜は、書類審査と個人面接(口頭試問を含む)で行われます。

一次募集

  • 出願期間:2026年9月4日(金)〜9月11日(金)
  • 選抜検査:2026年9月26日(土)
  • 入学許可予定者発表:2026年10月1日(木)

この記事を作成している2026年9月29日時点では、一次募集の出願と選抜検査は終了しています。

二次募集・三次募集

一次募集で募集定員に満たない場合は、二次募集が行われます。

  • 二次募集出願期間:2026年11月10日(火)〜11月17日(火)
  • 二次募集検査:2026年11月28日(土)

さらに、一次・二次募集で定員に満たない場合は三次募集が行われます。

  • 三次募集出願期間:2027年2月2日(火)〜2月9日(火)
  • 三次募集検査:2027年2月20日(土)

二次・三次募集は、前の選抜結果によって実施の有無や募集人員が決まります。受験を検討している方は、必ず甲府工業高校定時制の公式入試ページで最新情報をご確認ください。

建築を学ぶ入口は、一つではありません

高校卒業後にそのまま建築を学ぶ人もいれば、社会に出てから建築に興味を持つ人もいます。すでに建築の仕事をしていて、改めて基礎から学び直したいと考える人もいます。

今回のチラシを見て改めて感じるのは、専攻科建築科が「決まった年齢の学生だけが通う学校」ではなく、それぞれのタイミングで建築を学び直せる場所だということです。

建築の仕事は、覚えることが多く、経験にも時間がかかります。だからこそ、現場で働きながら学び続けられる場所が地域にあることは、建築を志す本人だけでなく、山梨の建築をこれから支えていくうえでも大切なことだと思います。

専攻科建築科への入学を検討されている方は、募集要項や最新の入試情報を公式サイトで確認してみてください。

※入試日程・募集内容は2026年9月時点で確認した令和9年度入学者選抜実施要項に基づいています。最新情報は必ず学校・山梨県教育委員会の公式情報をご確認ください。

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この記事を書いた人

山本 大介のアバター 山本 大介 代表取締役

有限会社山本建築工業 代表取締役。
地域に根ざした住まいづくりを大切にし、設計から施工まで一貫して取り組んでいます。

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