PanasonicアラウーノからTOTOのタンク式へ交換|修理・交換のしやすさまで比較

PanasonicアラウーノからTOTOのタンク式トイレへ交換した施工前後の比較

今回は、PanasonicのアラウーノからTOTOのタンク式トイレへ交換しました。

トイレを選ぶときは、見た目のすっきり感や掃除のしやすさ、便利な機能に目が向きやすいものです。ただ、住宅設備は長く使うもの。数年、十数年と使っていく中では、温水洗浄機能や電気部品、給排水に関わる部品などに不具合が出ることもあります。

そこで今回は、実際の交換事例をもとに、タンクレス一体型と、便器・タンク・温水洗浄便座を組み合わせるタンク式の違いを、将来の修理や交換のしやすさまで含めて整理してみます。

目次

交換前はPanasonicのアラウーノ

Panasonicアラウーノから交換する前のタンクレス一体型トイレ
交換前のPanasonicアラウーノ。タンクが見えない、すっきりとした一体型のトイレです。

交換前は、Panasonicのアラウーノが設置されていました。

アラウーノのようなタンクレス一体型は、便器の後ろに大きなタンクが見えないため、トイレ空間をすっきり見せやすいのが大きな特徴です。

便器と機能部分を一体的にデザインできるため、凹凸を抑えた形状にしやすく、見た目や掃除のしやすさを重視する方には魅力のあるタイプです。

一方、長く使ったときの修理や更新方法については、便器・タンク・温水洗浄便座が分かれている組み合わせ式とは少し考え方が変わってきます。

TOTOのタンク式トイレへ交換しました

PanasonicアラウーノからTOTOのタンク式トイレへ交換した施工後の状態
TOTOのタンク式トイレへ交換。便器・タンク・温水洗浄便座を分けて考えられる構成です。

今回は、TOTOのタンク式トイレへ交換しました。

タンクレスからタンク式へ交換すると、以前よりトイレ本体が大きく見えるため、「せっかくならタンクレスの方が良いのでは」と思われる方もいるかもしれません。

ただ、住宅設備を選ぶ基準は、見た目や機能の多さだけではありません。

今回、特に考えたいのが、故障したときにどこまで修理できるか、将来どの部分だけ交換できるかというメンテナンス性です。

一体型は故障したら必ず全部交換、というわけではありません

タンクレス一体型について、「シャワートイレが壊れたら便器ごと全部交換しなければならない」と聞くことがあります。

ここは少し整理が必要です。

Panasonicでは、アラウーノについて洗浄ノズルや便座、便ふたなど、症状に応じた修理・メンテナンス情報を公開しています。そのため、何か不具合が出たらすぐに便器一式を交換しなければならない、ということではありません。

修理できる部品があり、修理可能な状態であれば、必要な部分を直して使い続けることができます。

一方で、Panasonicが公開しているトイレのメンテナンススケジュールでは、温水洗浄便座の本体交換について、便器一体型はセットでの交換になる旨も示されています。

つまり、故障内容によって部分修理できる場合はありますが、温水洗浄便座そのものを更新する段階になると、組み合わせ式のように便座部分だけを自由に載せ替えることが難しい場合があります。

この違いは、10年、15年と住宅設備を使っていくことを考えると、意外に大きなポイントです。

補修部品がいつまでもあるとは限りません

もう一つ考えておきたいのが、補修部品の供給です。

Panasonicでは、アラウーノの補修用性能部品の保有期間を製造打ち切り後7年としています。

これは「7年たったら必ず修理できなくなる」という意味ではありませんが、長期間使用した製品では、必要な部品が生産終了となり、修理できない場合があります。

これはアラウーノだけに限った話ではなく、電気的な機能を持つ住宅設備を長く使ううえで考えておきたい点です。

設備そのものがまだ使えそうでも、修理するための部品がなくなれば、交換を検討しなければならないことがあります。

タンクレス一体型のメリット

タンクレス一体型には、もちろん多くの良さがあります。

トイレ空間をすっきり見せやすい

タンクが見えないため、便器まわりがすっきりします。

トイレは限られた広さの空間なので、奥行き方向の圧迫感を抑えたい場合には大きなメリットです。

掃除しやすい形状にしやすい

便器と機能部分を一体的に設計できるため、段差や凹凸を抑えたデザインの製品が多くあります。

毎日使う場所だからこそ、拭き掃除のしやすさを重視したい方には魅力があります。

多機能な製品を選びやすい

自動洗浄や自動開閉、脱臭など、さまざまな便利機能を備えた製品があります。

トイレを一つの住宅設備として、デザインと機能の両方を重視したい場合には選択肢になります。

タンクレス一体型のデメリット・注意点

一方、長期間使用することを考えると、確認しておきたい点もあります。

温水洗浄便座だけを交換する自由度が低い

一体型でも部品修理ができる場合はありますが、温水洗浄便座部分そのものが交換時期を迎えた場合、組み合わせ式のように便座だけを別の商品へ交換できるとは限りません。

設備を購入するときには、現在の機能だけでなく、将来どのような単位で修理・交換する商品なのかを確認しておくことも大切です。

電気機能を含めた設備として考える必要がある

温水洗浄、暖房便座、センサー、自動開閉など、便利な機能が増えるほど電気的な部品も増えていきます。

多機能であること自体が悪いわけではありませんが、長く使えば、その機能部分について修理や交換が必要になる可能性もあります。

製品固有の部品への依存度が高くなりやすい

一体型は、その製品専用の部品で構成される部分が多いため、年数が経過したときの修理可否は、メーカーの部品供給状況にも左右されます。

長期間使う設備だからこそ、購入時の価格だけでなく、その後の維持方法まで考えておきたいところです。

タンク式・組み合わせ便器のメリット

今回採用したのは、タンクを持つ組み合わせタイプのトイレです。

便器・タンクと温水洗浄便座を分けて考えられることが、大きな特徴です。

温水洗浄便座だけを交換しやすい

TOTOでも、便器とタンクを組み合わせるタイプに取り付ける「ウォシュレットシートタイプ」について、古くなったウォシュレットや便座だけを取り替える用途に適していると案内しています。

便器やタンクに問題がなくても、温水洗浄便座の電気部品は先に不具合が出たり、交換時期を迎えたりすることがあります。

そのときに、まだ使える便器やタンクを残し、便座部分だけを交換できることは、長期的なメンテナンスを考えると大きなメリットです。

必要な機能に合わせて便座を選びやすい

温水洗浄便座だけを別に選べるため、必要な機能や予算に合わせて組み合わせやすくなります。

例えば、最初は多機能な便座を使い、将来交換するときにはシンプルなものにするという選択もできます。

逆に、後から必要な機能を持つ便座へ変更することも、対応する便器であれば検討できます。

使える部分を残しやすい

住宅のメンテナンスでは、「壊れていない部分まで一緒に交換する必要があるのか」という視点も大切です。

便器・タンク・便座を分けられる構成であれば、それぞれの状態を確認しながら、必要な部分だけ更新できる可能性があります。

これは、長く住まいを維持していくうえで一つのメリットだと考えています。

タンク式にもデメリットはあります

もちろん、タンク式ならすべて良いというわけではありません。

タンクの分だけ存在感がある

タンクレスと比較すると、便器後方にタンクがあるため、どうしても設備としての存在感は大きくなります。

限られた空間をできるだけ広く、すっきり見せたい場合には、タンクレスの方が適していることがあります。

継ぎ目や部品点数が増える

便器、タンク、温水洗浄便座が別々になっているため、一体型よりも接続部分や部品が増えます。

タンク内部にも水を止めたり流したりするための部品がありますので、長く使えば、それらの点検や交換が必要になることもあります。

タンク式だから壊れない、メンテナンスが不要というわけではありません。

洗浄後にはタンクへ水をためる時間が必要

タンク式は、便器を洗浄した後にタンクへ再び水をためます。

通常の家庭で大きな問題になる場面は多くありませんが、構造上の違いとして知っておくとよいと思います。

タンクレスとタンク式、どちらが良いのでしょうか

ここまで比較すると、「結局どちらを選べば良いのか」と思われるかもしれません。

結論としては、どちらが上ということではなく、何を優先するかで選ぶ設備が変わります。

タンクレス一体型は、例えば次のような方に向いています。

  • トイレ空間をすっきり見せたい
  • デザイン性を重視したい
  • 掃除のしやすさを重視したい
  • 自動機能などの便利さを求めたい

一方、タンク式の組み合わせ便器は、次のような考え方に合いやすいタイプです。

  • 将来、温水洗浄便座だけ交換できるようにしておきたい
  • 便器と電気的な機能部分を分けて考えたい
  • 必要な機能に合わせて便座を選びたい
  • 長期的な修理や更新のしやすさを重視したい

どちらにもメリットとデメリットがあります。

大切なのは、「今どちらが格好良いか」だけではなく、その家でどう使い、これからどう維持していきたいのかまで考えることです。

住宅設備は10年先の直しやすさまで考えたい

私たちは住宅設備を選ぶときに、新しい機能が多いかどうかだけではなく、その設備を長く使ったときにどう直せるかということも大切にしています。

住宅では、便器そのものより先に、温水洗浄便座や電気的な機能部分が交換時期を迎えることも考えられます。

そのとき、

  • 故障した部分だけ修理できるのか
  • 便座だけを交換できるのか
  • 使える部分を残せるのか
  • 補修部品がなくなったらどうするのか
  • 本体一式の交換になる可能性があるのか

といったことまで分かっていると、設備の選び方も変わってきます。

これはトイレだけの話ではありません。

給湯器やエアコン、キッチン、浴室など、住宅に使われる設備の多くには寿命があり、いずれ修理や交換が必要になります。

新築やリフォームのときには完成直後の便利さだけでなく、何年か先の維持管理まで想像して設備を選ぶことが、長く安心して暮らすことにつながると考えています。

まとめ

今回は、PanasonicのアラウーノからTOTOのタンク式トイレへ交換しました。

タンクレス一体型には、すっきりしたデザインや掃除のしやすさ、多機能性といった魅力があります。

一方、便器・タンク・温水洗浄便座を組み合わせるタンク式には、温水洗浄便座だけを交換しやすく、将来の修理や更新方法を選びやすいという良さがあります。

一体型も、何か故障したらすぐに全部交換になるわけではありません。修理可能な部品であれば部分修理できるケースがあります。

ただし、温水洗浄便座本体の更新が必要になったときや、年数が経って補修部品がなくなったときには、一体型と組み合わせ式で選べる方法に違いが出てきます。

トイレ選びは、設置したときの見た目や便利さだけでなく、10年先、15年先の直しやすさまで考える。

毎日使う設備だからこそ、それぞれの特徴を知ったうえで、暮らし方に合ったものを選ぶことが大切です。

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この記事を書いた人

小野 希のアバター 小野 希 大工・情報発信担当

山本建築工業で大工・広報・情報発信を担当しています。
現場の様子や住まいづくりの考え方を、分かりやすくお伝えします。

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