前回の基礎工事では、遣り方で出した基準を捨てコンクリートへ転写し、基礎の位置を示す墨出しまでをご紹介しました。
今回は、その墨を基準にして進める「基礎の配筋」です。
基礎の鉄筋というと、一定の間隔で鉄筋を並べているように見えるかもしれません。
しかし実際には、建物の構造計算を行い、その結果に基づいて地中梁の位置や必要な配筋、スラブ筋のピッチなどを決めています。
今回の現場でも、場所によってスラブ筋の間隔が異なっています。
大切なのは、単純に鉄筋を多く入れることではなく、構造計算で決めた内容を現場で設計どおりに施工することです。
墨出しを基準に基礎の鉄筋を組んでいきます
前回、捨てコンクリートへ出した墨を基準に、基礎の配筋を進めます。
まずは、基礎の立ち上がり部分となる縦筋と主筋を組んでいきます。

鉄筋は、設計された基礎の位置や配筋図に合わせて一本ずつ組んでいきます。
完成するとコンクリートの中に隠れてしまいますが、建物を支える基礎の骨組みとなる重要な部分です。
構造計算に基づいて地中梁を施工します
今回の基礎で特徴的なのが、基礎内部に設けている地中梁です。

写真を見ると、通常のスラブ部分とは別に、鉄筋が梁状に組まれている部分が確認できます。
地中梁についても、現場の感覚で位置や鉄筋量を決めているわけではありません。
建物全体の構造計算を行い、その結果に基づいて必要な位置へ必要な配筋を施工しています。
基礎の形状や配筋は、すべての住宅で同じになるものではありません。
建物の形状や構造計画に応じて必要な内容を計算し、その設計を実際の現場へ反映していきます。
第三者機関による配筋検査を受けます
基礎の配筋が進んだ段階で、第三者機関による配筋検査を受けます。

配筋検査では、施工された鉄筋が設計図書どおりになっているかを現場で確認します。
基礎の鉄筋は、このあとコンクリートを打設すると見えなくなります。
そのため、施工した側だけで確認して終わるのではなく、第三者の目でも確認を受けたうえで次の工程へ進みます。
スラブ筋のピッチを確認します
配筋では、鉄筋が入っているかどうかだけでなく、設計された間隔で施工されているかも重要です。

写真では、スケールを鉄筋へ当て、スラブ筋のピッチを確認しています。
図面上で決められた配筋を、実際の現場でも正しく再現できているか、一つずつ確認していきます。
スラブ筋はすべて同じピッチではありません
基礎の配筋が完了した状態がこちらです。

この写真で特に見ていただきたいのが、手前側と奥側でスラブ筋の間隔が異なっているところです。
一見すると、基礎全体を同じ間隔で配筋した方が分かりやすいようにも見えます。
しかし実際には、構造計算の結果によって必要な配筋は場所ごとに異なります。
今回の基礎でも、それぞれの部分に必要な構造性能を確保するため、スラブ筋のピッチを変えて施工しています。
地中梁が入っている部分も含め、建物全体を計算した結果が、実際の基礎配筋の形として現れています。
「鉄筋が多ければ強い」ということではありません
基礎を見ると、「鉄筋は多ければ多いほど安心なのでは」と思われるかもしれません。
しかし、大切なのは単純な鉄筋の量ではありません。
建物全体を構造計算し、
- どこに地中梁が必要なのか
- どのような配筋が必要なのか
- スラブ筋をどの程度の間隔で配置するのか
といった内容を決め、その設計どおりに施工することが重要です。
必要な場所へ必要な鉄筋を配置する。
その根拠となっているのが構造計算です。
構造計算は、現場で再現してこそ意味があります
構造計算を行い図面を作成しても、実際の施工がその内容と違っていれば、計算した設計をそのまま建物へ反映することはできません。
設計で決めた内容を、墨出し、配筋、確認という工程を通して現場へ正確に落とし込んでいくことが大切です。
山本建築工業では、構造計算に基づいて基礎を設計し、その内容を実際の配筋へ反映しています。
さらに、コンクリートを打設する前には第三者機関による配筋検査を受け、設計と施工の整合を確認しながら工事を進めています。
基礎の鉄筋は、住宅が完成するとまったく見えなくなる部分です。
だからこそ、見えなくなる前の段階で、設計した内容が現場できちんと施工されているかを確認することを大切にしています。


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