基礎工事の精度を支える遣り方|レーザーで通り芯と直角を出す工程

レーザーを使って新築住宅の遣り方を行い、通り芯と直角を確認している基礎工事の様子

新築住宅の基礎工事に先立ち、建物の位置や高さを現場に示す「遣り方」を行いました。

遣り方は、基礎の配置や高さを決める最初の基準となる工程です。

完成すると見えなくなる仮設の作業ですが、ここで作った基準をもとに、掘削、砕石、捨てコンクリート、墨出し、配筋、型枠工事へと進んでいきます。

今回は、一般的な遣り方の工程に加えて、山本建築工業で行っているレーザーを使った通り芯と直角の出し方をご紹介します。

目次

遣り方とは

遣り方とは、建物の外周付近に杭と板を設置し、建物の位置や高さ、基礎の中心となる通り芯を示すための仮設物です。

図面上に描かれている建物の位置を、実際の敷地へ移していくための基準になります。

最初に、建物の配置より少し外側へ杭を打ちます。

新築住宅の遣り方で建物の周囲に杭を打った状態
遣り方板を取り付けるため、建物の配置より外側へ杭を打ちます。

この杭は、後から取り付ける遣り方板を支えるためのものです。

基礎工事中に簡単に動いてしまわないよう、必要な位置へしっかりと打ち込んでいきます。

杭に遣り方板を取り付けます

杭を打った後は、建物の周囲に遣り方板を取り付けます。

新築住宅の周囲に杭と遣り方板を設置した状態
建物の通り芯や基礎の高さを示すため、杭に遣り方板を取り付けています。

遣り方板には、建物の通り芯や基礎の位置を示す印を付けます。

また、板の高さは基礎工事を進めるうえでの高さの基準にもなるため、それぞれの板が同じ高さになるように確認しながら設置します。

建物の外周に遣り方板と通り芯を示す糸を設置した全景
建物の周囲に遣り方板を設置し、基礎工事を進めるための基準をつくります。

遣り方板が一周すると、敷地の中に建物のおおよその位置が見えてきます。

ただし、板を設置しただけでは、まだ基礎の正確な通り芯や直角は確定していません。

ここから、実際の建物の基準を遣り方板へ移していきます。

レーザーを使って通り芯と直角を出します

今回、特にご紹介したいのが、レーザーを使って通り芯と直角を出す工程です。

水平に調整した基準板へレーザーを据え、建物の通り芯と直角を確認している様子
基準となる交点に水平な板を設け、レーザーで通り芯と直角を出してから遣り方板へ移します。

山本建築工業では、遣り方板を設置した後、実際の建物の基準となる交点ごとに板を置きます。

その板の水平を確認し、板の上にレーザーを据え付けます。

建物の基準となる交点をつくる

最初に、図面上の通り芯が交わる基準点を現場に出します。

通り芯とは、柱や壁、基礎などの中心を示す基準線のことです。

建物には縦方向と横方向の通り芯があり、それぞれが交わる位置を正確に出すことで、建物全体の配置を決めていきます。

基準となる交点へ板を置き、その板が水平になるように調整します。

水平を確認した板の上へレーザーを設置することで、安定した状態から基準を出せるようにしています。

通りと直角を基準板へ移します

レーザーを使い、建物の縦方向と横方向の通りを基準となる板へ写します。

同時に、二つの通りが正しい直角になっているかを確認します。

建物の一辺だけが正しい位置にあっても、もう一方の通りとの角度がずれていると、建物全体が平行四辺形のようにゆがんでしまいます。

そのため、位置だけでなく直角まで確認することが重要です。

基準板から遣り方板へ通り芯を移します

基準となる交点と直角を確認した後、同じレーザーを使って、その通り芯を周囲の遣り方板へ移します。

遣り方板に付けた印と印の間に糸を張ることで、建物の通り芯を現場で確認できるようになります。

この方法では、基準となる交点から直接、周囲の遣り方板へ通り芯を移せます。

複数の位置を順番に測りながら基準をつないでいく方法と比べて、途中で生じる誤差を小さくしやすいのが特徴です。

捨てコンクリート施工後の墨出しにつながります

遣り方で出した通り芯は、その後の基礎工事でも繰り返し使います。

掘削や砕石敷き、防湿シートなどの工程を進めた後、基礎の下地となる捨てコンクリートを施工します。

捨てコンクリートが固まった後は、遣り方板に付けた通り芯をもとに、捨てコンクリートの表面へ基礎の位置を墨で示します。

最初の遣り方の段階で、通り芯と直角を正確に出しておくことで、捨てコンクリートへ墨出しをするときにも位置を合わせやすくなります。

基礎の立ち上がりや鉄筋、型枠の位置も、この墨を基準に施工していきます。

そのため、遣り方の精度は、その後の基礎工事全体の精度につながります。

最初の基準を丁寧につくることが大切です

遣り方は、最終的には撤去される仮設の工程です。

しかし、建物の配置、高さ、通り芯、直角を決める重要な基準になります。

ここでわずかなずれが生じると、後の工程で何度も調整が必要になったり、基礎や構造部分の納まりに影響したりする可能性があります。

山本建築工業では、遣り方板を設置して終わりではなく、建物の基準となる交点をつくり、レーザーを使って通り芯と直角を確認したうえで、遣り方板へ基準を移しています。

完成後には見えなくなる工程だからこそ、最初の基準を丁寧につくることを大切にしています。

まとめ

今回は、新築住宅の基礎工事に先立って行った遣り方の様子をご紹介しました。

遣り方は、建物の位置や高さを現場へ示し、その後の基礎工事を進めるための基準となる工程です。

山本建築工業では、レーザーを使って通り芯と直角を基準板へ写し、さらに遣り方板へ移すことで、捨てコンクリート施工後の墨出しまで精度を保てるようにしています。

基礎工事は、完成するとほとんどが見えなくなります。

しかし、建物を長く支える部分だからこそ、一つひとつの基準を確認しながら工事を進めていきます。

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この記事を書いた人

小野 希のアバター 小野 希 大工・情報発信担当

山本建築工業で大工・広報・情報発信を担当しています。
現場の様子や住まいづくりの考え方を、分かりやすくお伝えします。

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